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皆さんは「股関節拘縮」の原因を、評価結果から導くことが出来ていますか?

そして、適切な運動療法を行えていますか?

股関節拘縮がADL動作や歩行動作に及ぼす影響は大きく、正常な動作から逸脱することで、更なる拘縮、疼痛、筋力低下の原因となることが多々あります。

また、股関節拘縮は股関節だけでなく他関節に及ぼす影響も大きいため、詳細な評価のもとで適切な運動療法の実施が大切です。

そこで今回のRINSHO PICKSでは『股関節拘縮』を深掘りしたいと思います。この内容を網羅することで、あなたは自信をもって股関節拘縮に対する運動療法が行えるはずですので、順を追って説明していきます。

運動療法を行う上で重要となる理学所見を深堀り!

まず大前提として、股関節拘縮の制限因子を特定するには「複数の理学所見」を組み合わせて判断することが大切です。単にゴニオメーターで可動域を測定するだけでは、制限因子を特定する事はできません。このため下記に、運動療法を行う上で重要となる理学所見について説明していきます。

医学的情報・画像・問診から病態を予測する

患者に触れる前に診療録から必要な情報を収集します。経過や画像、手術内容などから責任病巣や病態を予測する事は、効率の良い正確な評価を実施するために重要です。

変形性股関節症患者では脚長差が問題となることが多いです。構造的脚長差なのか機能的脚長差なのか評価する必要があります。この時に構造的脚長差を評価する上でおすすめなのが、涙痕―小転子間距離の測定です。

涙痕―小転子間距離の測定では股関節内・外転の影響を受けにくいとの報告もあり、簡易的に行えるため画像から推察しやすくなります。変形性股関節症患者では、大腿骨頭の外上方偏位や圧潰が進行することで、患側の下肢長が短縮しているケースが非常に多いため、この計測方法を知っておくと良いでしょう。

 

5つの理学所見から病態を予測する

①エンドフィール

他動的に関節を動かした場合に、関節可動域を制限する構造や病態により異なるエンドフィールを感じる事ができます。可動域が制限される方向やエンドフィールを慎重に観察する事により制限因子を判断する事ができます。

この時のポイントとして、まず血液検査やエコー画像などから炎症があるかを確認しておきます。組織の損傷や炎症、疼痛による制限がある場合は抵抗を感じることなく防御的な筋収縮または筋スパズムが出現し急激に可動域が制限されます。軟部組織の癒着や短縮、伸張性低下による制限は最終域に近づくにつれ抵抗感が強まります。

このように、どの組織に癒着や短縮している組織があるのかをエンドフィールを感じながら病態を予測することが大切になります。

②圧痛初見

圧痛の存在は、その組織に何らかの圧変化に伴う病態がある事を示しています。循環障害を伴う攣縮筋に圧痛は必ず存在し、それ以外にも、局所安静が必要な損傷組織や炎症のある組織にも認められるため、複数の所見から病態を推察する事が大切です。

深層組織の圧痛所見をとる際は、表層組織が緊張状態にある、または伸張位にあると正確な評価が困難となります。そのため、表層組織が弛緩するようにポジショニングを工夫する必要があります。

具体的に言うと梨状筋などの深層組織は大殿筋が弛緩位となるように股関節を軽度伸展位で触知することで梨状筋の圧痛をとりやすくなります。

③関節操作に伴う可動域および疼痛の変化

二関節筋においては、一方の関節の肢位を変化させる事により、他方の可動域も増減するという現象がみられます。

例えば、大腿直筋が制限因子の場合、膝関節を屈曲位とする事で、股関節の伸展可動域が減少し、大腿筋膜張筋が制限因子の場合、股関節内転・外旋位では伸展可動域が減少し、外転・内旋位では筋が弛緩した分だけ伸展可動域が増加するといった現象が起こります。

このような操作において、可動域や疼痛の程度に変化がない場合は、単関節に関連する軟部組織が制限因子であると判断できます。

④触診による制限因子の確認

臨床例では、ある組織が単独で制限因子となる事は稀で、同じ作用をもつ筋や、隣接組織など複数の組織が制限因子となる事は珍しくありません。その場合は、運動に伴い緊張してくる順でアプローチする組織の優先度を判断します。

臨床で多い股関節屈曲拘縮がある症例で説明します。股関節屈曲筋では、腸骨筋、大腰筋、縫工筋、大腿直筋などが挙げられます。その中でもどの組織が一番緊張してくるか触知しながら他動での股関節伸展運動を行います。一番緊張が強い組織からアプローチすることで、どの組織が制限因子となっているかを効率よく見つけることが出来ます。

⑤股関節周辺靱帯・関節包の拘縮評価

股関節の関節包ならびに関節包靱帯は、股関節屈曲30~65°、外転15°、外旋15°の肢位で最も弛緩し、関節内圧は最低となります。

この肢位を基準とすると、各関節運動方向での関節包の状態が推察できます。

例えば、股関節屈曲拘縮がある場合、腸腰筋や大腿直筋に問題がないとすると、外転位での伸展制限であれば前下方関節包および恥骨大腿靱帯の伸張性が、内転位での伸展制限であれば前上方関節包および腸骨大腿靱帯の伸張性が低下していると考えられます。

このように、loose-packed positionを基準とした多方向への可動域の観察により、拘縮の原因を推定する事ができます。

 

今回紹介した内容に加え、さらに書籍『股関節拘縮の評価と運動療法』を読むことで、股関節拘縮の保存療法の考え方が画期的に変わると思います。

是非、明日からの臨床に活かしてみてください。今回も最後までご覧いただきありがとうございました。

参考図書

股関節拘縮の評価と運動療法

著者:熊谷 匡晃

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